ななめのせかい

日常をあるく

横浜トリエンナーレ

先週、横浜トリエンナーレに行った

 
 
3年に一度の現代美術の祭典
10年程前から可能な限り行っています
 
私は芸術家じゃないし芸術に造形が深いわけではないので
その道に命を捧げている人たちにえらそうなことは言えないけれど
 
1800円のチケット代分だけの感想は言ってもいいかなと思う。
 
現代美術って、見てわかりやすくすごくキレイとか美しいってわけでないから
難しいなと思うんだけど
あっ!と思わせるようなすごく素敵なものより、本当にアイデア勝負だなーと思わせるもののほうが多かったな
 
でもその中で、心臓をギュっとされるくらいの強い衝動を与えられたものがひとつ
 
それが大阪西成区、あいりん地区の釜ヶ崎芸術大学の展示だった
 
日雇い労働者の町、路上生活者の町と言われるあいりん地区
そこで生活する人々が集まって、詩を書いたり絵を書いたり、歌を歌ったり能をやったり、そんなことができる交流センターが、釜ヶ崎芸術大学らしい
 
そこに書かれている書道の文字や
詩に書かれているひとつひとつの言葉
見ているだけでなぜか涙が出てきた
 
同情などでは決してなく
ただただ 生と死の狭間での悩みや自身の境遇、過去へ思いをはせる様子に
とても衝撃を受けた
 
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誰も 望んでその境遇に陥った人はいない
どこでそうなったのか?
これからどこに行くのか?
どうやって生きていくのか?
そんな思いに満ち溢れているようだった
 
美術館の中のほんの一展示ではあったものの一時間ほどその場にいて
じっくり読み込んでしまって
他の展示を見て周っても、いつまでも
心はそこに戻って考えてしまった
 
 
芸術とは何なのか?
定義も答えもわからないけど
 
ただ、命の慟哭を芸術と言うのなら
あの美術館の中で一番の芸術だった